野生ラベンダーの種を受け継ぎ
プロヴァンスの魂の香りをつなぐ
2002年、創業者ヴェロニクがアルジャン村にトレッキングで訪れた時、村は廃墟のようでラベンダー畑は荒れ地だったと回想します。山の奥にポツンと咲く野生ラベンダーとこの村の歴史を知り、村の復興とラベンダー栽培の再生を決意しました。
はじめは、大きな石や岩を取り除き、畑を耕すことに注力しました。そして同時にラベンダー蒸留所の建設も進みました。石を取り除くために何度も畑に行って、トラックに石を積む作業を繰り返しました。そして、野生ラベンダーから種を採取し、高原に植え苗を育てます。苗が育つと、畑に移して美しい畝を作ります。
2005年、初めてのラベンダー収穫が行われました。1965年にアルジャン村のラベンダー農園が閉鎖されて以来、40年ぶりに村がラベンダーの香りに包まれました。この村にしか咲かない在来種の真正ラベンダーを受け継ぐ農園として復活したのです。
『ラベンダーは、プロヴァンス地方の魂の香りである』作家ジャン・ジオノ
私たちは真の歴史遺産である
この土地を継承しました。
ヴェロニク・ペルツァー
アルジャン村は、住民が10人ほどしかいません。パンを買うにも車で30キロ走るか、隣人に分けてもらわないといけない。村の人たちとはよく話もします。田舎にはまだ『ボンジュール』って挨拶をする人たちが残っているんですよ。これは些細なことのようだけど、すべてが違ってくる大切なこと。生活の中で何を優先させたいかが大切なのでは。
移住して収入は減りましたが、前と同じくらい働いている。でも、毎朝山を愛でられる幸せがあって毎日が彩りに満ちている。何より、この村には自由がある。
繊細なラベンダーの香りを表現する
天然成分だけのスキンケアを開発
2005年の初収穫の後、ブルーダルジャン農園では次のプロジェクトがありました。この地に伝わる在来種の真正ラベンダーの繊細な香りと伝統的な薬草としての効果に注目したスキンケアを開発することです。
真正ラベンダーには優れた防腐効果があり、天然の防腐剤として活用できるため人工的な防腐剤を添加する必要がありません。プロヴァンスの伝統的なスタイルにインスパイアされた独自のスキンケアシリーズの開発は、ヴェロニクが農園の仕事と並行して大学で学んだフランス国家資格アロマテラピーを取得したことで可能となりました。
最も新鮮な状態の、混じり気のないピュアな真正ラベンダーの香りと、プロヴァンス地方の名産品であるオリーブ油やマルセイユ石鹸、様々な薬草などを組み合わせた100%天然成分のスキンケア製品を発売。このプロジェクトは、お肌に対する健康的なアプローチだけでなく、持続的な農園づくりの主力を担っています。
お肌にも地球にも優しい
スローコスメティック
最も繊細で美しい真正ラベンダーの香りを際立たせるブルーダルジャンのスキンケアシリーズは地元の職人との共同開発によって完成しました。小さな工房の手仕事から生まれた100%天然成分によるスキンケアは、使うたびに自然環境の保護に貢献します。
ブルーダルジャン農園の歴史
オート=プロヴァンス地方で最も古い村
紀元前数世紀にはケルト語でArgento(アルゲント)と名付けられたこの村は、紀元前100年頃に帝政ローマ帝国によって占領され、1200年頃までArgenteusと呼ばれました。西暦588年頃には西ゴート帝国の支配下で岩山に城壁が建設されました。この城壁は1940年代まで存在していました。この村の名前から、古代には「銀鉱山」があったことが示唆されます。
また、テンプル騎士団の修道院があったことも判明しています。
ペストによる被害と、ラベンダーの存在
1717年には60世帯300名の人口となりました。
アルジャン村のラベンダーと「青い黄金」
当時、金と同等の価格で取引されたことからアルジャン村の真正ラベンダー精油は「青い黄金」と呼ばれるようになりました。
真正ラベンダーの衰退と消滅
1975年にアルジャン村のラベンダー栽培は消滅しました。