千一夜物語の「ラベンダーの歌」

目次

おお、私はなんと幸せなことか。
花壇を飾るあれやこれやの花々の一つでもなく、
卑しい手に摘み取られる気遣いもない。
そして、くだらぬおしゃべりに煩わされる心配もない。
さまざまなほかの植物、私の姉妹たちとは違って、
自然は私を小川から遠く離れた場所で育つようにしてくれた。
私は耕された場所と文明のある土地を好まない。
私は野生のもの、人の世から遥かに離れた
荒野と孤独の中に私はとどまる。
なぜなら、私は群衆に混じるのが嫌いだから。
(・・中略・・)
自由、私は自由!  

中世の民話に殘る、ラベンダーの足跡

この歌は【千一夜物語】いわゆるアラビアンナイトに登場します。最終的な形にまとめられたのが15世紀とありますので、その頃には存在したのでしょう。この歌は「乙女と鳥の女代官の物語」に収められています。

この物語にはさまざまな花々が登場し、自分の物語、自分はどういう花なのかということを唄います。バラ、ジャスミン、カモミールなどに続いてラベンダーの歌が唄われており、野生ラベンダーも重要な役割となっているのがわかります。

「ブルーダルジャン」のラベンダー畑は正に「陸の孤島」とも言うべき場所にあります。カンヌからレンタカーでいくつもの山、岩山、あるいは崖を越えて行かねばなりません。車で片道5時間くらいでしょうか。人口わずか8人程度の集落にたどり着くのです。

この歌にあるように「人の世から遥かに離れた」土地です。そこに咲くラベンダーはとても優しく、淡い色の花を咲かせていました。

私にはその色が『自由の色』のように思えました。真正ラベンダーの重要なキーワードは「自由」。

 

ぜひ、真正ラベンダーで「自由」を感じてみてください。

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