「ラベンダーオイル」と「最高級の真正ラベンダー精油」の違いを解説します!

目次

ラベンダー精油、どんな基準で選んだら良い?

はじめまして!ブルーダルジャン・ジャポンのブログへお越しいただきありがとうございます!

南仏プロヴァンスのラベンダー屋さんを日本で立ち上げて5年が経とうとしているこの頃。今回は「ラベンダー精油の品質」についてご紹介しようと思います。

巷では、人工香料や格安ラベンダーが堂々とアロマとして出回り、アロマ業界でも玉石混交が問題になりつつあります。私としては、少しでも香りのことやラベンダーという植物のことに興味を持って頂き、そしてラベンダーの香りを選ぶ際のほんの少しの参考にして頂ければと思い、今回の記事を制作しました。初心者からアロマ関係者まで様々な方に読んでいただけるような記事にしたいと思います。どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

ラベンダー精油の原産地南フランスの風景

1. 香り高きラベンダーの原種「真正ラベンダー」を選ぶ。

皆さんは、ラベンダーにたくさんの品種があることをご存知ですか?

一言にラベンダーといえども、バラやぶどうと同じ植物ですので色々な品種があります。香りのする花や香りのしない花、紫色にピンク色…ラベンダーには40種類以上の品種があると言われ、アロマセラピー用の精油としては主に3種類のラベンダー精油が流通しています。今回ご紹介するのは、南フランスで最も香りが華やかとされている「真正ラベンダー」という品種について。

優れた薬効と「中庸の香り」で天然の万能薬と称される「真正ラベンダー」

品種:真正ラベンダー
学名:Lavandula officinalis / L. vera, / L. angustifolia
(ラヴァンデュラ・オフィシナリス/アングスティフォリア/ヴェラ)

小難しい学名ですが、この表記されている場合がほとんどです。高級香水、高級化粧品、アロマテラピーに使われます。[officinalis]とは「薬用の」という意味。もともと、薬草として用いられたことに由来します。[vera]とは「真の/本当の」という意味。[angustifolia]とは「細い葉」という意味。

原産地はフランスアルプスなどの地中海沿岸地域、海抜800mから1800mの高地です。南フランスの野生種から育てるラベンダーの花は色とりどりで、白、ピンク、紫、青などの花が同じ一株の植物に咲くことがあります。これが高品質である何よりの証だとされます。

古代から何世紀にもわたって使用されてきた品種。優れた薬効と「バランスの良さ」が特徴で、世界で最も高く評価されている薬草のひとつです。特に高級化粧品や香水、スパやアロマテラピー、ヨーロッパを中心とした代替医療の現場に用いられます。

南フランスでは、別名「Bleu d’Or – 青い黄金」とも言い、収量が少なく大変希少な品種とされます。最も華やかな香りで知られており、リラクゼーションや安眠に最適な香りとして知られています。

//まとめ//
・今でも南フランスには「野生」で存在している。
・古くから薬草として扱われてきた希少価値の高い品種
・最も薬効に優れ、代替医療などでも使用される伝統的な品種

2. 「精油 / エッセンシャルオイル」を選ぶ。

「ラベンダーオイル」と言う名称が頻繁に使われるようですが、実は精油のことを指す場合にはあまり用いません。「オイル = 油脂」という意味で考えると、ラベンダー精油を植物オイルで希釈したアロマオイルと捉えられ、混乱の原因となります。

そのため、アロマテラピーに使われるラベンダーは、一般的な商品名に「ラベンダー精油」と書かれています。精油は植物に含まれる芳香成分となる揮発性の油(植物の分泌物)を抽出したもので、英語でエッセンシャルオイルと言います。

100%純粋でないアロマオイル・ラベンダーオイルを購入する方は、配合成分に注意ください。また、純粋で天然のラベンダー精油をお探しの方は、「精油」の表記をチェックしてみてください!

//まとめ//
・商品名に「精油/エッセンシャルオイル」と書かれているものを選ぶ
・100%ピュア、純粋のものを選ぶ

3. 価格で違う、ラベンダー精油の香りについて

「ラベンダー精油 10mlの相場はいくらでしょう?」と聞かれるとアロマ関係者でも迷ってしまうかも知れません。

実際に、アロマ専門店はもとより、100円ショップや雑貨屋さん、お洒落なセレクトショップ、一流ブランドまで様々な場所で販売されているラベンダー精油は、どれが良いのかわからなくなるほど広い価格帯で販売されています。まるで500円のコンビニワインから一本数百万円まで存在するワインのようだと思います。

筆者はフランスのワイン産地ボルドーに留学していたこともあり、この仕事を始めてからワインとアロマって似てるよなぁ〜と思うことがよくあります。その一つが価格について。ワインと性質は似ていて、高価になればなるほど嗜好品としての性質が大きくなり、より趣味性が増します。しかし、工業製品ではなく農産物として考えた場合には、ある程度の条件が必要なようです。

低価格帯のラベンダー精油は「偽和」にご注意

価格帯:価格不明〜1,000円未満/10ml

解説:ほとんどのラベルには「ラベンダーオイル」とだけしか書かれていません。どの産地か、内容物の詳細な情報などは一切排除されていて、もはや天然の植物かどうかさえ知ることができません。近年では「偽和」の問題が深刻化しています。

ラベンダーの市場価格の高騰に伴って、出元不明の本物のラベンダーオイルに合成成分を混ぜた「偽物 = 偽和」が出回っていることが指摘されています。ワイン専門店に500円ワインがないのと同様、アロマ専門店でも扱いません。それでは、ラベンダーの香りで頭痛がしても文句は言えません。また、南仏プロヴァンス産と書かれていて、圧倒的に価格の安い精油には偽物にご注意ください。

中価格帯のラベンダー精油は、一般的なラベンダーの香り

価格帯:1,500円〜2,500円/10ml

解説アロマショップに行くと原産地表記で「EU産」などある程度の範囲を限定することができます。あるいは、「100%ナチュラル」「精油」という表記が見られるようになります。1,500円あたりで「ラバンジン系品種」が、2,000円あたりからブルガリア産、オーストラリア産ラベンダーなどが見受けられます。

一般的に、雑貨店などで販売されているものはこの価格帯が多いようです。

高価格帯のラベンダー精油は、香りの違いを知りたい人に。

価格帯:2,500円〜4,000円/10ml

解説:「真正ラベンダー」が多くなります。まれに「ラベンダー・メイレット」という品種もあります。「ラベンダー・メイレット」とは、真正ラベンダーの栽培種のひとつで大規模生産が可能なものです。南仏プロヴァンス産のラベンダー精油は、3,000円あたりから見られます。

ラベンダー精油は、栽培方法などの手間のかけ方、栽培地、蒸留方法、流通業者などによって価格が大きく変動する製品でもあります。この辺りの価格帯になると、栽培地や蒸留部位、蒸留方法などの詳細な情報を入手することができるようになり、いよいよ農産物らしさを感じることができます。

原産地直送のラベンダー精油は、薬草としての効果を求める人に。

価格帯:4,000円〜 / 10ml

解説一般的には「南仏プロヴァンス地方の野生ラベンダー」もしくは「オート=プロヴァンス産 真正ラベンダー」と書かれたものが該当します。稀に、有名ブランドの日本やブルガリア産精油の一部が該当することも。

例えていえば、「農家直送・無農薬栽培のブランド米」のようなもの。お米でいえば星付きレストランでも使われるほどのクオリティです。最上グレードの香りとして高級スパやアロマサロンなどで使用されるほか、フランスの高級香水メーカーや化粧品ブランドが使用します。

特に、真正ラベンダーの香りは繊細で華やかなものとなり、薬草としての効果が期待できるものとなります。透き通るような優しい香りは、初心者でも安心して使いたい方や心身の癒しを求める方に最適です。

※ただし、高ければ良いという訳ではありません。あくまで、出自や特徴、そして香りの品質で適正な価格が保たれているということの説明を加えさせて頂きます。

//まとめ//
真正ラベンダー精油の価格について
・安すぎる精油は「偽和」にご注意ください。
・精油は農産物なので、価格が高くなるほど「こだわり」がある。
・最高級のラベンダー精油は、生産地や生産者もみえる本格的な香り。
・薬草としての効果を求める方にオススメなのは、産地直送の高品質な精油。
・初心者こそ、高品質な香りを使うべし。
南仏プロヴァンス ブルーダルジャン農園

4. 最高の真正ラベンダーは、プロヴァンス地方の魂の香り

フランスの格付けワインに匹敵するほど高価なラベンダーは、一体どれほどスゴイのでしょうか。天然香料の中でも真正ラベンダーは、「ハーブの女王」としてアロマでは最もスタンダードな香りとして人気があります。

南仏プロヴァンス地方の真正ラベンダー精油の香りが最高のものとされるのは、単に発祥の地という理由だけではありません。2000年間の歴史で培われた栽培・蒸留技術、ラベンダー栽培に適した土壌と気候、南仏プロヴァンス地方の空気が生み出す人々の陽気さと栽培にかける情熱。その全てが凝縮された香りです。

これを南仏プロヴァンスの作家ジャン・ジオノはこう表現しました。

「ラベンダーは、オート=プロヴァンスの魂である。」

初心者こそ、最高の香りを活用すべし。

色々と好き勝手に書いてみましたが、結局、万人に好かれる香りというのはこの世になかなか存在しないと、私は考えています。ゆえに、最大公約数的な考え方をするのであれば、やはり「最も品質の良い」香りを試してみるのが、最短距離で「好みの香り」を見つける方法だと思っています。もちろん、薬草としての効果も優れていることが多く、費用対効果が上がることでしょう。

今回は「香りの品質」という部分にフォーカスを当てて、精油の選び方について書いてみました。最後に、ラベンダー精油の選び方についてまとめてみたいと思います。

//まとめ//
・品種は「真正ラベンダー」と明記
・商品名は「精油」と明記されたもの​
・栽培地や生産者がわかるラベンダー精油​は、品質の安心感と信頼に繋がる。
・薬草としての効果を求める方にオススメなのは、産地直送の高品質な精油。
・初心者こそ、「最高の品質」から始める​とラベンダーの良さがわかる。
上部へスクロール