第2回 フレンチ ビューティ エクスペリエンス展について
2024年11月20日 (水)、昨年に引き続き、フランス貿易投資庁-ビジネスフランスは、日本におけるフレンチコスメブランドのさらなる認知向上と新規顧客開拓を図るため、美容関連商材に特化したイベント“フレンチ ビューティ エクスペリエンス (FRENCH BEAUTY EXPERIENCE)”をフランス大使公邸にて開催しました。
フランスは2023年の日本の輸入化粧品の国別シェアでは2位(23%)、特にスキンケア、香水の両部門では最大のサプライヤーです。本イベントでは、フランス化粧品の中でも、これから日本市場への参入を目指す新規ブランドや、日本市場での更なる展開拡大を目指すブランドを、日本の化粧品業界関係者の皆様にご紹介し、改めて発見・体験していただくことを目的としています。
韓国コスメやプチプラコスメが市場で注目される中、フランスコスメの品質や技術革新、さらに特徴的な華やかな植物の香りにスポットライトを当てた展示会でした。今回は9社10ブランドの出展となり、弊社ブルーダルジャン・ジャポンは初出展となりました。
出展の目的と今後の活動について
今回、弊社が当イベントに出展した目的は2点ありました。
まず一つは、震災の影響です。弊社の本社は石川県七尾市にあり、2024年1月1日の地震で大きな被害を受けた地域です。今回の被災を通して、香りの重要性を身をもって体感したこと、そして能登全体が被災地となったことで経済的に麻痺したことで、より幅広いビジネスの必要性を実感しました。地域に根付いた商売は私たちの大切なポリシーです。一方で、この希少なラベンダーの香りを全国のより多くの方へ届けるというのもまた使命のひとつだと改めて感じました。
もう一つは、私自身が南フランスでラベンダー収穫に携わる中で、これほどこだわりを持って生産している農園が他にないことを体験したことにあります。2019年にはフランス無形文化遺産に登録され、2021年に世界ジオパーク、2023年にはフランス農林省環境認証も取得し、より良い香りづくりを今もなお追求しています。
そのような農園が少なくなっている現状ですが、天然香料の需要はますます増えていると言われています。天然香料の生産が機械化、大型化されていく中で、ほぼ全ての工程を手作業で今なお作り続けているブルーダルジャン農園の魅力を多くの方へお伝えすることが必要だと感じました。
フランスでの1年間の生活の区切りとして、日本全国のスパやサロン関係者を中心とした方へ販路を広げる活動の第一歩となりました。このような素晴らしい機会をいただきました在日フランス大使館関係者の皆様、ご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。
生産年別の香り比べ企画と、出展後に感じたこと
東京での展示会出展はコロナ前の2019年以来、5年ぶりとなりました。今回は、ブルーダルジャン農園の新しい取り組みとして、生産年別の真正ラベンダー精油を発売してから初めての展示会。展示会1週間前の帰国時に持ち帰ったばかりの2024年(メイレット種)の真正ラベンダーと、2023年の真正ラベンダーの香り比べの企画を開催しました。
なぜコーヒーやワインはブレンドせずに産地別や生産者別で愉しむのに、香りは産地にこだわらないのか。ワインにハマってボルドー留学を経験してラベンダーと出会った僕は「同じ農産物なのに…」と、それがずっと不思議で仕方ありませんでした。
個人的な想いとして「香りも農産物である」ということを感じて頂きたく、まるでワインの生産年を当てるブラインドテイスティングのような展示企画を開催しました。フランスでは薬局方にも登録されており、また文化として精油が日常に溶け込んでいて品質に注目される機会が多くあります。しかし、日本では精油が雑貨扱いで、まだまだ精油の文化が根付いていないことに注目しました。
展示会では想像以上に多くの方がブースへお越しなり、香り比べを体験して頂くことができました。中には、生産年でこれほど香りが変わるとは思わなかった方もいたようです。また、苦手だと思っていたラベンダーの香りなのに、苦手意識が払拭されたと仰って頂いた方も多くいらっしゃいました。
フランスの生産者から直接お届けする、まさにフランスを象徴する香りの品質を高く評価して頂けたことは、僕自身が生産に携わる中でこの上なく嬉しい瞬間でした。また、香りの分野に興味を持っておられる方、お仕事にされている方が非常に多かったことについても、時代の変化を感じました。300枚の名刺を1日で配り終えたことがその大きな変化を象徴していたように思います。
ストレスといかに向き合うか、これからの香りの役割
ストレスマネジメントという言葉が出現するほどに、様々なストレスに遭遇する現代人。ぼんやりとした不安や緊張だけでなく、仕事量や人間関係、生活リズム、食生活、情報過多などさまざまな場面でストレスを感じやすくなっているとも言えます。
例えば、夜の睡眠前にラベンダーの香りを嗅ぎながら10回ほど深呼吸をする。お風呂にラベンダー精油を5滴加えて、アロマバスを作る。ブルーダルジャン農園の真正ラベンダー精油は、普段の生活に少しだけスローな環境をプラスすることができると考えています。
香りの役割は、神話の世界から医学、そして香水やファッション、アロマテラピーへと進化してきました。文化として今もなお発展し続けている香りの世界、今回の展示会を通してまだまだ可能性に満ちていると改めて実感しました。
引き続き、日本でのラベンダー文化の発展に努めて参ります。
今後ともよろしくお願い致します。