フランス・ベルギーを中心に広がるスローコスメ認証とは
スローコスメは、2013年にベルギーで設立された国際NGO協会「スローコスメティック協会」が立ち上げた世界で唯一のスローコスメ認証です。1つ星から3つ星までの認証ラベルがあり、まるでミシュランの格付けのようにスローコスメの達成度を可視化しました。
スローコスメの動きは1980年代に始まったスローフードに倣ったもので、「地球にも人にもより健康的な製品で、過剰な消費行動とマーケティングを抑える」ことを目的としました。そのため、従来のオーガニック認証のような「成分表示」だけの認証ではなく、成分表はもちろんのこと製造過程や原料の調達、マーケティング方法、パッケージに至るまで、環境に配慮した方法を提示しなければなりません。
現在、フランスを中心に300以上のコスメブランドが登録されていることからも、いかにスローコスメが注目を集めているかを知ることができます。
スローコスメ憲章には4つの大きなテーマがあります。
「リーズナブル、インテリジェント、倫理的、環境に優しい」
ブルーダルジャン農園のスローな取り組み
実際に、ブルーダルジャン農園のスキンケア製品が2つ星に認定された経緯をご紹介します。ブルーダルジャン農園では2015年からスローコスメ 2つ星に認定されています。
ブルーダルジャンでは無農薬栽培によって農園環境を保護します。
元々、ラベンダーの香りは害虫を寄せない効果があり、あまり必要ないということもありますが、現在では多くのラベンダー農園が低地で栽培しているということもあり雑草が生えやすいため除草剤などを散布しているところが多いようです。
ブルーダルジャンでは、羊飼いによる除草と年間8回以上の鍬堀り(binage)によって農園を管理しています。羊飼いは1000匹の羊を連れて、年2回アルプスを横断する途中で農園に立ち寄ります。この様子はブログ『羊飼いとラベンダーの除草について』からご覧ください。
ビオを主体とし、成分表示はシンプルです。
ほとんどの成分がビオもしくはビオ基準以上の高品質な植物成分によって構成されており、自社農園で栽培された真正ラベンダーの繊細な香りを最大限に活用するための成分構成となっています。また、成分表示はシンプルな植物オイルのみで構成されており、ボディバターが最大で8種類の植物オイルのみで構成されます。
天然成分100%の地球にもお肌にも美しい配合
ブルーダルジャンのスキンケアシリーズは天然成分のみの処方で製造されています。創業者ヴェロニクはフランス国家資格のアロマテラピストです。アロマテラピーの観点から香り成分による効果を追求した結果、混じり気のない天然成分のみのスキンケアシリーズが誕生しました。
地元プロヴァンス地方の職人技(アルティザン)によるハンドメイド製品
ブルーダルジャンの製品は全てオート=プロヴァンス地方の職人によって小さなアトリエで製造されています。例えば、石鹸はマルセイユ近郊の工房でコールドプロセス製法の伝統に基づいて製造され、天然の保湿成分グリセリン(水分をひきつける成分)を多く含む石けんになっています。
また、人気商品のマッサージオイルシリーズは、仏国家資格アロマテラピストの創業者ヴェロニクが自らのアトリエにて製造しています。プロヴァンス地方のラベンダー農園の魅力をダイレクトにお届けできるシリーズとしてエステサロンなどプロユースでも大活躍しています。
広告費やマーケティングに過剰な費用をかけない
「グリーンウォッシング」という言葉を聞いたことはありますか?
グリーンウォッシュとは、英語で「ごまかす」「欠点を隠して良く見せる」という意味の「ホワイトウォッシュ」と、「グリーン」(環境)を組み合わせた造語です。
つまり、環境保護やサステナビリティ、SDGsなどへの取り組みを実際の取り組みよりも過大に宣伝して、「見せかけ」の宣伝をすることです。ヨーロッパでは、ほとんどの環境への主張は曖昧で、あるいは、裏付ける根拠がないという結果があります。現在、ヨーロッパではこの「グリーンウォッシング」に対する規制が強化され始めています。「ビオ」や「オーガニック」のラベルは、成分上での規格であり環境に対するラベルではありません。また、多くの認証制度は多額の費用を要求するもので、「見せかけの」オーガニックマーケティングも問題となっていることにも注意が必要です。
ブルーダルジャン農園では、コマーシャル費用が必要となるオーガニックラベルを取得せずに、実際の農園の価値を高めるための投資をしています。ラベンダーの香りをよりよく、農園の環境を維持することが第一としていることは、農園の映像にてご確認できます!
ラベンダーとスローな時間を愉しむライフスタイル
近年のライフスタイルにおいて、デジタルデトックスやスローライフが注目されています。スマホやPCなどのITが身近になりすぎた今、都会的生活もいいけど、自然との触れ合いも欲しい。パリなどの都会で働く女性を中心にスローコスメへの注目度が増しているのは、このようなニーズに応えるものかもしれません。
環境に配慮した製品というだけでなく、実際に使用感も良くないと続けられないもの。スローコスメの製品は、植物成分や職人の伝統的なノウハウを信頼し、お肌の真のニーズに応えます。特に、洗浄、保湿、そして保護です。必要以上のプロセスを要求しないことも大切です。
そして、過度に不安を煽るような広告から離れ、自然に身を任せることも大切です。
フランスでは歳を取ればとるほど美しい、「しわ」は美の一部である。そう考える文化があります。何事も円熟した方が魅力が増すというのがフランス流の考え方。
慌ただしい毎日の中に、ふと我に返って、ラベンダーの香りでひと息。ラベンダーは「自由」の象徴でもあります。他の花が決して咲かないような荒地にでも、のびのびと咲いていることから、アラビアンナイトにも描かれました。
ラベンダーの香りによるスキンケアの時間が「自由」を心に取り戻す、そんな時間になればと思います。フランス流のライフスタイルで、心を軽やかに、気分を晴れやかに、まるでプロヴァンスの太陽のような暖かさを心に持っていたいなと、そんなことを想いながら、2024年の年の瀬を迎えました。