フランス留学経験者のオススメ観光地3選〜マントン編〜

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フランスとイタリアが交わる芸術の街「マントン」

ぼくが訪れたフランス国内20数箇所の観光地の中での1位はこちら!イタリアとの国境の街、そしてレモン祭りで知られる街、マントンです!

マントンに初めて訪れたのは2014年の8月。フランスから帰国する直前のことでした。どうしてもオペラかクラシックのコンサートに行きたくて、フランス国内のあちこちで開催されるクラシック音楽祭のスケジュールを調べていたところ、この街で開催される「Festival de Musique de Menton」にたどり着きました。この音楽祭は毎年夏に開催され、その年で65回目を迎える歴史ある音楽祭。そのコンサートがちょうど予定に合っていたので、行ってみることにしました。

碧い海、コート・ダジュールで海水浴

マントンはイタリアとの国境と地中海に面しており、コートダジュールの最東端ということになるのでしょうか。標識もイタリア語併記で街中のレストランもイタリアンがとても多いようです。また、ビーチがすごい綺麗で、たくさんの人で賑わっていました。

夏のマントンで、極上の音楽に酔いしれる。

7月下旬、マントンのランドマーク的な建物であるサン=ミシェル教会の広場に野外ステージが設営されます。伝統あるマントン音楽祭の始まりの合図です。この音楽祭の魅力は、何と言っても教会前の空気感。こんな夏の開放感とともに味わう音楽は誰がなんと言おうと「最高」です。高級車から降りてくるマダムとムッシュー、近隣に暮らしている地元民、そして世界中から訪れる観光客の人々が特設会場に集まります。そんな異様な雰囲気は、まさにお祭りならではのもの。(後から知った話だと日本からのツアーもあるそう)

波の音と融合するクラシックの心地よさ。

ぼくはマントン音楽祭に縁あって、2014年・2015年と2年連続でコンサートに行くことができました。

2014年のコンサートは、ネルソン・フレイレによるピアノ独奏。ベートーヴェンのピアノソナタ32番などを演奏していました。たまたま真っ正面に座っていたのでかなり至近距離の演奏でしたが、その分夢中になって聴き入ることができました。

2015年は、ピンカス・ズーカーマンによる室内楽団の弾き振り。カメラータ・ザルツブルグというモーツァルトで有名な室内楽団の演目はなかなかユニークなものでした。テーマは「18世紀、19世紀、20世紀の作品の展示会」。

20世紀に活躍した作曲家ストラヴィンスキー「弦楽のための協奏曲」というかなりインパクトのある曲から始まります。一度聞くと忘れないくらいにモダンでおしゃれな協奏曲。

その後、18世紀のモーツァルトはおなじみの「ヴァイオリン協奏曲第5番」。弦楽の振動がカメハメ波くらいの威力で吹っ飛んできます。ズーカーマンのソロパートをこれでもかというくらいに堪能。さらに18世紀が続きます。「交響曲の父」とも言われるハイドンより「ヴァイオリン協奏曲第1番」。耳に優しい音が潮風に乗って流れてくる心地よさ、半端ない感動です。

最後にぼくがもっとも聴きたかった曲がやってきました。チャイコフスキーによる「弦楽セレナーデ」です。これを聞いて喜ばない人はいないんじゃないかと思うくらい好きな曲。ぼくがイメージする「エレガンス」の頂点にあるような曲です。この演奏は間違いなく世界一美しいドレミファソラシドでした。

そんなわけで、ここの音楽祭では言葉にならない贅沢を堪能できます。クラシックファンの方でもそうでなくても絶対に楽しめる音楽祭。夜の潮風に乗って波の音が微かに混ざり合う魅惑の音楽祭は、2017年にネルソン・フレイレが再演するそうです。

ジャン・コクトーのいのちを感じる美術館

マントンの魅力に引き寄せられ、作品制作の拠点を構えた芸術家がいました。ジャン・コクトーという人物です。詩人でありながらも絵画、映画、演劇に陶芸などなんでもやってしまう天才芸術家。ピカソとは親しい仲だったそうで、同じくコート・ダジュールで活躍したという共通点もあります。

そんなコクトーが最後の仕事として作り上げた遺作こそが、コクトー美術館。又の名を「要塞美術館」とも言います。ここは計画段階からコクトー自らが関わっていた美術館だそう。

要塞美術館

17世紀に建てられた海沿いの要塞を買い取って建てられた美術館。外壁のモザイク画がすごく綺麗です。

この美術館では、晩年の作品や陶芸作品を中心とした展示となっており、映画監督として関わった「美女と野獣」に関する展示もありました。また、修復時から本人が関わったこともあり、外壁にはジャンコクトーのオリジナル壁画がマントンの小石で製作されました。

海と要塞のコントラストがいいですね。ちなみに要塞の上にも登ることができます。

ジャン・コクトー美術館

そして、もう一つのジャン・コクトー美術館の方へ。2011年に開業したばかりという新しい美術館はとてもモダンな建物。こちらは、セヴラン・ワンダーマンさんという実業家が収集したコクトーコレクションを展示しています。

ビーチの真横にある建物で、すごく目立つので迷うことはありません。白を基調とした美術館内部では、たまたま特別展でピカソをやっていて有名な作品を数多く観ることができました。時期によってはコクトー常設展だけではなくいろんな展示もするようです。

ぼくはピカソもコクトーも大好きなので、彼らのコラボレーション展示が観れるマントンは非常に嬉しい街です。芸術家の生涯を肌で感じることができる街ですね。路地や教会にもモニュメントが多くあるので散策中に意外な発見をすることもあります。

イタリア料理が美味しいマントンの街

あんまり言うとイタリア人に怒られてしまうかもしれませんが(苦笑)、もともとイタリア領だったマントンでは至る所にイタリアンレストランがあります。しかも、めちゃくちゃ美味しいです。この辺りは地中海料理なので、魚介類をベースにしたパスタやリゾットなどが多いようです。

その一つがこちらのレストラン

La Belle Escale(ラ・ベル・エスカル)

パスタ、ピッツア、魚介ベースの様々な料理が楽しめるお店です。偶然サン=ミシェル教会から下りたところにあったので入ってみたら、アタリでした。フランスのパスタは柔らかいのが多いですが、ここはちゃんとアルデンテで仕上げてあります。スカンピもムール貝もいい感じです。お店に入ったのが夕方だったので空いていたのですが、どうやら人気店のようです。薄暗くなるにつれてお客さんがどんどん入ってくるので、もしかすると満席の可能性もあるかもしれません。

やっぱり路地裏探検がおすすめな街

マントンは丘の上にあるサン=ミシェル教会を囲むように家々が密集して作られた旧市街地がおすすめ。そこは、ほとんどが坂(しかも急な!)なので、かなり複雑に入り組んでいます。旧市街地には今も地元民が暮らしているので生活感溢れる様子を垣間見ることもできます。

また、お昼にはマントンの屋内マルシェでお買い物をするのもおすすめ。
ぼくはそこで果物を買って、教会前で一休みしていました。

そして、涼しくなった頃に海に出てぼんやり。

と言うことで、ぼくが独断と偏見で選ぶフランスのおすすめ観光地第1位はマントンでした。ここは、本当に過ごしやすい場所で心からリラックスできるところです。そして、何よりも地元の人たちが温かく親切な人ばかり。プロヴァンスのロゼワインとイタリアのパスタをマリアージュさせちゃうのもマントンならではでしょうか。楽しい街でした!

いつかヨーロッパ版も更新します。。。では、Bonne journée!

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