南仏プロヴァンス地方で本物のラベンダー精油の蒸留をしてみた!

2018年南フランス2ヶ月間の出張記、これまでの記事はこちらから↓

ラベンダーの蒸留方法について

みなさんご存知の通りアロマテラピーなどでよく使われる精油は、花の香り成分を抽出したものです。アロマテラピー以外にも、化粧品や香水、芳香剤など色々なものにラベンダーの香りの製品がありますよね。天然香料の場合、全てがエッセンシャルオイル(精油)による香りづけになります。

ラベンダー農園での収穫したラベンダーの花々がエッセンシャルオイル(精油)となる過程をざっくり解説します。

ラベンダー精油は一般的に「水蒸気蒸留法」と呼ばれる製造方法でエッセンシャルオイルを抽出します。水蒸気蒸留法とは、まさに字のごとく、お湯を沸かしてラベンダーを蒸すことによって、ラベンダーの花などに含まれる香り成分を抽出する方法です。

水蒸気にオイルが吸収され、冷却装置を通り再び水に戻ることによって、エッセンシャルオイルと水は比重の関係で分離します。上層にはエッセンシャルオイルが、下層には蒸留水が採取されます。

蒸留時、釜の中にはお湯がグツグツと沸騰しているのですが、その上に網を張りラベンダーがお湯に浸からないようにします。お湯に浸かってしまうとただのラベンダーのお茶のようになってしまいます(笑) 水蒸気の圧力をかけて蒸留することで、勢いよく植物の細胞からオイルを爆発させて取り出すのです。

ブルーダルジャンの蒸留所

ブルーダルジャンの蒸留所の中には、蒸留器が2器あります。この蒸留器はおよそ100年前のものを譲り受けたのだとか。今では手に入らない貴重なもので、この蒸留器にだけは盗難保険をかけているとのこと。こんな大きい蒸留器を持っていく人間なんているんでしょうかね…

ちなみに、蒸留器の中には500kgのラベンダーが入ります。2器同時に蒸留できるので、一度に蒸留できるのは1トンのラベンダーの花です。そんな蒸留ですが、なんと1日に6度もやります。ということは1日に6トンのラベンダーを運ぶ計算になります。2日目には筋肉痛、3日目も筋肉痛、4日目には身体全体が…5日目には痛みを忘れます(笑)

そんな蒸留作業は2週間ほど続きます。

こんな感じで、夏には見学に来るお客さんが沢山います。なんと、シーズン中に500人以上もの見学客がいらっしゃいます。アジアでは中国人や台湾人もたまに、ほとんどが欧州からのお客さんでした。

ラベンダーを蒸留所に運ぶ。

農園と蒸留所は谷を挟んで反対側。全部で53区画あるラベンダー農園の一番遠いところだと30分以上もかかります。一度にトラクターで運べるラベンダーはおよそ2トン。このトラクターでも1日に3往復もします。

そして、蒸留所内に一気に流し込みます。この時点で蒸留所内はラベンダーの香りでいっぱいになります。そして、ラベンダーにくっついて来た虫たちでいっぱいになります(笑)

ラベンダーを蒸留器に入れる。

ラベンダーを蒸留器に入れながら、人間も一緒に入ります。そして、ラベンダーを踏み潰しながら圧縮していきます。ラベンダーがふわふわした状態だと、釜の中で水蒸気がラベンダーに通らず、良い精油に仕上がらないのです。

しかし、ものすごい勢いでラベンダーを投入しています。中の人はラベンダーに埋もれています。実際には空気中にいろんなものが舞い上がっているので、相当息苦しくなりました。ダイナミックな農作業ですね(笑)

500kgのラベンダーを入れたら、12本のネジをよく締めて蓋をします。圧力がかかるのでちゃんと蓋を閉めないと大変です。全員で確かめ合ってから、いざ蒸留。

そして、よく見るとオーナーのヴェロニクさん、ピアスしてますね。農作業中でもデッカいピアスとは、さすがフランス人です。

ラベンダーを蒸留する。

蒸留時間は約1時間。ラベンダーの乾燥具合や天気によって蒸留時間は変わります。この時間、蒸留所内はまるでサウナ状態。汗だくの私たちは湧き水で水分補給。1リットルくらいはすぐに飲めます。(笑)

ちなみに、山から次々にラベンダーがやってくるのでラベンダーの行列ができます。ラベンダーたち、今か今かと蒸留の順番を待っていることでしょう。

蒸留後のラベンダー

熱々のラベンダーを取り出して乾燥させます。500kgのラベンダーが水を吸っているのでとんでもなく重い。これを外まで運んで乾かして、釜の燃料として燃やします。

最後に

刈り取った後のラベンダー畑は一面の緑色です。また来年にはここが紫色に染まります。

いかがでしたでしょうか。アロマと一口に言っても生産には様々な過程があります。農園直輸入だからこそ知ることができるのは、生産方法や生産者の顔だけではないはずだと、私は改めて感じました。実際の空気感であったり、プロヴァンスの人たちのあたたかさ、精神性、語りつくせぬほどの充実感がそこにはあります。

これを機に、ラベンダーの奥深き世界の一部をお伝えできましたら幸いです。続く。

 

Share on facebook
Facebook
Share on twitter
Twitter
Share on email
Email
Share on print
Print

INSTAGRAM

Scroll to Top