《2018年フランス出張記》ボルドー&コニャックの酒巡り旅。 vol.2

目次

ボルドーの新しい名所、シテ・デュ・ヴァン

この奇妙な建物、ワインのデキャンタをイメージして作られたという建物の正体は、ワイン博物館。通称「シテ・デュ・ヴァン」と呼ばれる施設です。世界のワインの都ボルドーにようやく完成したワイン専門の博物館です。

ガロンヌ川沿いにあり、高さは9階建ての55mなんだとか。2016年にオープンしているので、もう3年も経ってしまいましたが、やっと行くことができましたのでレビューです。

入場料は20ユーロで、ワインの試飲チケットが1枚付いてきます。博物館の見学が終わったら最上階でボルドーワインや世界中のワインの試飲ができます。もちろん有料のレストランやカフェもありますが、今回はスルー。

早速入ってみると、ワインというより古代のぶどう酒の解説、ワインの歴史、ボルドーの歴史など歴史好きにとっては堪らないエリアがあります。

かなり近代的な博物館で、全て音声ガイドが付いてきます。もちろん日本語もありますので助かりました。ワイン博物館というだけあって、ボルドーワインに限らず、ワインという飲み物の文化を解説するような施設だと思います。ワインという飲み物が世界中で愛飲され、巨大な産業となっていく様子が理解できます。もっとも、この施設自体がワイン産業の大きさ、ワインの人気さを表している象徴かもしれません。そのくらいに立派な施設でした。

ワインは複雑かつ繊細な飲み物で、含まれる香りを様々な植物やモノに例えて感じ取ることもあります。この装置は、それぞれの香り成分をリアルな物で感じ取るためのもの。クッキー、鉛筆、キャンディーなどワインから感じ取れる香りを実物で嗅ぐ、というのはなんともユニークなアイディア。ちなみに、これらの香りは決して良い香りではありません(笑)

世界中のワインが購入できるショップです。東欧や中東、アラブ諸国など結構珍しい国のワインもありました。

最上階は展望台になっていますが、入場の際にもらった試飲チケットを使うための場所でもあります。展望台からはボルドー市街地とガロンヌ川が見れます。ものすごく茶色い川なのですが、ちゃんとした貿易港もあり豪華客船も入ってきます。左手に見える近代的な橋は、僕が留学しているときに完成したものですが、大きな客船などが入る際には橋の中央部分が昇降します。

世界遺産、月の港ボルドーを巡る。

街自体が世界遺産になっているボルドー。統一感ある街づくりは18世紀後期に行われたもの。パリの街づくりよりも100年早い大改造だったらしく、ボルドーがワイン貿易でいかに繁栄していたかがよく分かります。左に見える鐘楼はボルドーでもっとも高い建造物で114mあります。街の中のどこからでも眺められる目印的な存在。

その鐘楼の正体は、サン=ミシェル大聖堂の一部。最近、サン=ミシェル地区がかなり綺麗になりまして、観光客も歩ける地域になってきました。元々はアラブ人街であんまり近づきたくない場所でしたが、まあ大丈夫かなという程度に。それでも夜は控えた方が良さそうです。

ブルス宮殿からサン・ピエール地区へ

ボルドーの街はどこを切り取っても本当に綺麗です。おまけに治安も最高なので言うことなし。そして、レストランもレベルが高く、アルカション名産の牡蠣や、海の幸、それからトリュフに、ジビエなど毎日食べても飽きない食材がたくさんあります。

なんとなくガロンヌ川にかかるピエール橋に行ってみたら、ボルドーに沈む夕陽が美しい。よく見てみると、中央に少し彩雲も見えるような。。。

ペサックへお参りに。

今回、プロヴァンスだけでなくボルドーにも立ち寄った理由。留学時代に1年間間借りしていた家のマダムが亡くなったとの知らせがあり、お葬式のあった教会へやってきました。

ここはボルドーから路面電車(トラム)で40分ほどの小さな街ペサックです。ワインがお好きな方なら、ペサック・レオニャンという地区で知っている方も多いはず。有名シャトーでは、かのオー・ブリオンやパプ・クレマンがあります。

上の写真、ペサックの市庁舎(右)と映画館(左)です。映画館のロビーでよくフランス語の勉強をしていました。なお、ここで映画を見たことありません(笑)

ペサックの小さな教会。マダムとの思い出というのはあんまり覚えていませんが、ボルドーに到着した初日、玄関で呼び鈴を鳴らしたのに出てきてくれず、中に勝手に入ったら、なんとお昼寝をしていた…というのはかなりの衝撃でした。(笑)

小学校の先生をしていて、毎日家に夕方帰ってきて算数の教材を作っていたことを覚えています。一緒に算数の問題を見ましたが、結構難しいことやるんだなあと思った記憶があります。

こちらが間借りしていたお家。今は別の方が住んでいるようなので、中には入らずに外の様子だけ伺いました。この青い扉の前に立つと、すでに懐かしいものとなっている記憶が蘇ってくるものです。20歳の頃の必死さとか、冒険心とか、当時は何やってるかわかんないようなことでも、時間が経てば重要だったなあと思うこともあります。今、再び留学してもあの頃のような体験は二度とできないでしょうし、貴重な経験だったと改めて思い直すキッカケになりました。

この青い扉はフランスに来て、初めて開けた大きな扉だったのかもしれません。

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