学生起業するにあたって Vol.3 – 南フランスと芸術 –

目次

音楽祭と素敵な出逢いに誘われて訪れた南フランスの古い街。そこは、南フランスのオランジュという小さな美しい街でした。2000年前の古代劇場や凱旋門など多くの遺跡が残されています。

夕方になって、南フランスの少し冷たさも混じったような心地よい空気とともに、古代劇場の熱気と古典音楽の不思議な情緒がなんとも言えない感情にさせます。

演奏曲は「カルミナブラーナ」
中世ヨーロッパの世俗を謳った詩に、カール・オルフが作曲したもの。その中でも冒頭の「おぉ、運命の女神よ」は世界中で知られている有名曲。

確実に、その場が僕にとって理想の心地よい空間でした。4回ものアンコールと拍手が鳴り止まなかったことは今も鮮明に覚えています。お誘いただいた日本人音楽家の方とは楽団員との夕食会や演奏後までご一緒させていただきました。

本当に貴重な経験です。一聴き手である僕が、素晴らしい音楽を奏でる方と半日も一緒にお話しできるわけですから。

その場面に適したもの、その時の感覚に合うもの。それは全て「感動」を超えた何かで僕の栄養になります。この1ヶ月後に行ったイタリア・ヴェローナのオペラもそうでしたが、その実体験ひとつひとつが心に刻まれます。それらは全て美しいものでした。

そして、僕は何かを提供できる人間になりたい、そう思う瞬間でもあります。

カルミナ・ブラーナでは、自然の恵みも人間の喜怒哀楽も全て「運命の女神」の輪の中に収められているという運命の壮大さについて語られています。一説によると、運営の女神が前を向いている間に、前髪(チャンス)を掴まなければいけないのだとか。なぜなら、運命の女神には後ろ髪がないから…

そのオランジュ旅の帰りに寄り道をしました。

まず訪れたのは、中世の街並みが残る古都アルル。アルルはゴッホが暮らした街として有名な場所で、絵画のモデルとなった場所やゴッホ美術館があります。そのほかにもローマ遺跡が多く残されていたり、素晴らしい歴史的遺産を見ることができます。

そんなアルルの街中で、偶然にも「Lavender」の文字を見つけました。玄関先からとても爽やかな香りが漂っていたので、つい足を踏み入れてしまいました。そこは、ラベンダーの雑貨やコスメなどを販売しているお店。

おしゃべり好きな店長さんからラベンダーについていろんな説明を受けました。とにかく真正ラベンダーは非常に貴重なものだということは何度も仰っていました。そして、最後にラベンダー精油をこめかみと額につけてくれました。

その時でした。

それは、ほとんどインスピレーションに近いかもしれませんが、身体がふわっとラベンダーで包まれるような感覚になったのです。旅の疲労も夏の暑さも和らいで、爽やかな感覚を極限まで上昇させたような感覚でした。

次の寄り道はアヴィニョンです。

アヴィニョンには中世ヨーロッパの歴史の舞台となった教皇庁や上品な美術館があります。そして、プロヴァンス地方のワインが名産でもあります。街角で見つけたワインショップのオーナーとは妙にウマが合い、色んな話しながらビジネスのことも教えて頂きました。また、アヴィニョンの美術館ではフジタやピカソなど多くの偉大な画家の作品を見ることができます。

そして、一通り観光した後にアヴィニョンの街中を散歩していると、見覚えのある文字が飛び込んできました。再びラベンダーの土産物店を見つけました!偶然とはいえ、細い迷路のような街の一角にラベンダーのお店を再び見つけるとは。

この旅行2度目の出会いとなるとラベンダーに興味が湧くもので、帰る頃にはラベンダー精油や幾つかラベンダーのお土産を手にしていました。

その後、ラベンダー畑を訪れるために、2度目の南フランス旅行をすることになります。そこから起業までの流れはこちらをご覧ください。

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