Bonjour!皆様、どうもこんにちは。
ブルーダルジャン・ジャポンの金子です。
今回は友人からのリクエストを頂きまして、南仏プロヴァンス流の暑い夏を快適に過ごすノウハウについてお届けします。日本で実行できるかどうかはさておき、暑い夏を楽しく乗りきる術を考えてみました。
これから迎える2020年の夏も楽しく乗り越えましょう!
フランスといえばバカンス、バカンスといえばプロヴァンス!というくらいにプロヴァンスの夏はバカンス客で賑わいます。しかし、フランス人が夏のバカンスをどう過ごしているかあまり知らないという方も多いかと思います。日本人の旅行スタイルとは少し印象が違う南仏プロヴァンスのバカンススタイルについてご紹介します。
せっかくなので、ここで簡単にフランスのバカンスの概念について解説します。
バカンスとは、もともと貴族が自分の住居を離れて自然を楽しんだり、別荘へ行くことを指す言葉でした。近世まで多くの農民は自然のサイクルで活動しており、収穫後などには長期休暇がありました。そのため、わざわざ休日を指定する必要はありませんでした。しかし、20世紀に都市文化が発展すると労働者層が増加したため、意図的に仕事上の休日を設ける必要が出てきました。
1920年代になるとフランスでは労働者が休暇を取得する権利を獲得し、今までに幾度となく改正され、現在では最大5週間連続の休暇取得が可能となっています。
海や山や家でひたすらのんびりする
典型的なフランス流バカンスの過ごし方は「何もしないこと」だそう。
のんびり過ごす休暇は、バカンスの成り立ちから考えてもフランス流バカンスの基本的な概念です。心身を休めて英気を養うことは労働者の権利だと考えられていて、海や山でのんびり過ごすことがある種のステータスにもなるほどです。
特に南仏プロヴァンス地方のバカンスといえば、ビーチで日光浴をしている風景を思い出します。
- 家族や友人との会話
- ボードゲームやスポーツ
- 料理とホームパーティー
- 読書
- 日光浴
地中海沿いの街を歩いていると朝から日が暮れるまで、ずっとビーチで寝そべっている人たちがいます。何をするわけでもなく、ただひたすら太陽を浴び続けます。
そんな光景を見ていると「植物の光合成か!」とツッコミたくなるのですが、フランス人にとって「日焼け」はバカンスの証。わざわざ南仏に来て、海にもろくに入らずに肌を灼いているのは、バカンスから帰った時に灼けた肌を自慢するためなんだとか…
また、プロヴァンスは山岳地帯も多く、山遊びも人気スポットです。ハイキングや川下り、パラグライダーやツーリングなどアクティビティも盛んな地域。少しユニークなところでは、バカンス先で新しい友人ができるというメリットもあるそうです。おしゃべり好きなフランス人らしい発想です。
テラスでコーヒー片手に読書をしたり、野外音楽祭や美術館巡りをするのも南仏の夏らしい過ごし方。野外音楽祭といってもフランスではクラシックやオペラが主流です。
詳しくはこちらの記事「南仏プロヴァンスってどこにある?魅力とオススメ観光地まとめ」を参照してください。
夕方からお酒を片手に語り合う、アペリティフの習慣
個人的には、ぜひとも日本でも取り入れたい習慣のひとつです。
アペリティフとは「食前酒」という意味で、低アルコールのお酒で食欲を増進させたり、食事の時間を談笑しながら盛り上げたりする大切な習慣です。
お酒のラインナップは、私の経験上、ビールやスパークリングワイン、南仏名産のパスティスなどがありました。ボルドーにはリレというアペリティフワインもあります。フランスの地方に行く時にはご当地アペリティフを探してみるのも面白そうです。
ビールやスパークリングワインなど日本人からすると食中酒の印象ですが、フランス人にとってはアペリティフ。度数10%程度までなら軽めのお酒ということなんでしょう。食事に出てくるのは白ワインや赤ワイン、食後にはブランデーや薬草酒など度数の高いものが並びます。
そして、アペリティフに合わせる料理には、南仏のソシソン・セック(サラミ)、オリーブ、クルミなどがありました。南仏の田舎にいたせいか、とにかく手間のかからない手で食べれるものという印象があります。サラミもハーブ入り、チーズ入りなど南仏には多くの種類があります。私が滞在した地域では猪肉のサラミもありました。
南仏名産のパスティスとは?オススメの飲み方について
独特の風味から好き嫌いが激しく分かれるアペリティフのひとつ、パスティス。これが好きな人は、きっとプロヴァンスが好きなはず!?という定番のお酒です。私も初めてプロヴァンスに行った時から飲んでいて、日本でも夏になると買ってしまうお酒のひとつです。
パスティスとは
マルセイユ名産のアニスなどの薬草から風味付けられたリキュールで、アルコール度数40%以上と高めのお酒です。とても甘口で、強烈なアニス臭が特徴。このアニスの香りが苦手な人は全く受け付けない超個性派アペリティフ。
オススメの飲み方!
1. まず、グラスにパスティスを注ぐ。
2. 次に新鮮な水を注ぎ、最後に氷を入れれば完成!
最適な割合は「パスティス:水 = 1:5 」の分量だそうです。ポイントは常に氷は最後に入れることだそうで、これはパスティスの風味を壊さないようにするためです。
興味を持った方はぜひチャレンジしてみてください!
プロヴァンスの香りで暑気払い
もうひとつ忘れてはいけない習慣こそ、フランス人が最も愛する「香り文化」です。
香り文化の発祥地といえば南仏プロヴァンス地方。フランス産香水の2/3以上がプロヴァンスのグラースという小さな街で生産されていて、皆さんご存知のシャネルNo.5をはじめ、数多くの名作がこの地で誕生しました。
プロヴァンス周辺には高品質なバラ、ジャスミン、レモン、ミモザなど様々な花が栽培され、香水の原料となります。その中でも特に、夏にシーズンを迎える花があります。
プロヴァンスの夏の香りといえばラベンダーです。ラベンダー畑は南仏プロヴァンスの夏の風物詩としても知られていて、一大観光スポットとして世界中からの観光客を集めています。
香りは季節を感じることができる手軽なアイテム。ラベンダーの爽やかな香りは暑さを忘れて、気持ちを切り替えたい時に最適です。特に、高ぶった精神を鎮め、食欲を増進させるラベンダーは、夏バテにも最適な香りです。
フランスでは夏の香りとしても人気があります。フランスでは香水は「身に纏う」もの。香りは洋服と同じように季節感を表現する身嗜みの一部としても考えられています。初夏の衣替えの時期からラベンダーはシーズンを迎えますので、まさにこれからの季節にぴったりです。
ブルーダルジャン農園のラベンダー精油は、南仏の中でも特に山岳地帯で栽培されているものです。標高1400mの高原では、寒暖差が激しく乾燥した気候のため、ラベンダーの香りが華やかになると言われています。もちろん無農薬栽培で育てているため、安心です。
これから、いよいよ夏本番。ラベンダーの香りで暑気払いしながら、アペリティフで食欲をあげて夏バテをなくしましょう。今年は暑さを忘れて楽しい夏にしたいものです。