ラベンダー精油の香りは、南フランスの美しい暮らしの香り。
南フランスのリゾート地ニースから、レンタカーを借りて山の方へ進むと、急に険しいゴツゴツとした岩肌の山々が見えます。そこはアルプス山脈の最南端、標高は800mを越えます。ドライブの途中、小さな村々の間に見えてくるのは、一面のラベンダー畑です。
南仏出身の作家ジャンジオノは、
ラベンダーの香りは南仏プロヴァンス地方の魂、と表現しました。
今でも、山の奥深くには野生のラベンダーが、岩山の隙間にまるでタンポポが咲くかのように、ポツン、ポツンと咲いていて、その種を採取して栽培するラベンダー農家がいます。中世以来、香水の聖地として栄えた南フランスではラベンダー生産が一大産業として成立していて、いくつかの村にはラベンダー精油を蒸留する施設もあります。
現在では、香水だけでなく、アロマテラピーや化粧品の原料として、様々な分野でラベンダー精油は用いられています。その中でも、ここ南フランスで生産されたラベンダー精油こそ、最も美しい香りだとされています。
今回は、ラベンダー精油にまつわるエトセトラを簡潔にまとめていきたいと思います。
どうぞ最後までご覧くださいませ。
柔らかな甘み、爽やかな空気、南フランスの太陽のあたたかさ。
ラベンダー精油の香りは、アロマのスタンダード。だからこそ、2000年以上にもわたって南フランスではラベンダー文化として生活に浸透しました。知れば知るほどに奥深く。使えば使うほど新しい効果に出会います。
ラベンダー精油の香りの特徴は、優しく爽やかな香りであることです。だからこそ、老若男女、全ての人に適用できる香りであることも大きなポイントとなります。高齢者には認知症防止に。幼い子どもには、落ち着きを取り戻すために。そして、働く大人たちには、日常の休息のために。
全ての人が、それぞれの立場で使える香りこそ、ラベンダー精油の特徴です。
ラベンダー精油の主な効能・効果
ラベンダー精油の香りによる効果を、最も端的に表すと「中庸」という言葉が用いられます。これは、マイナスやプラスに大きく振れた針をゼロに戻すかのように、それぞれの基準での「過不足なく、偏りのない状態」を保つということを意味します。
実は、フラットな状態を保つのが難しい現代社会。ラベンダーの香りは、力強く、ぶれない、フラットな自分を取り戻す香りであると言えます。
安眠・リラックス・自律神経調節
心身のバランスを崩したとき、多くの場合が「興奮状態」もしくは「緊張状態」であると言えます。ラベンダー精油の中に含まれる酢酸リナリル、リナロール、ラバンデュリル、ラバンデュロールという香り成分が副交感神経を刺激し、興奮を鎮めます。さらに、気分を安定させるセロトニンや、睡眠ホルモンと呼ばれているメラトニンの分泌を促すと言われています。
これらの香り成分が絶妙なバランスで含まれるラベンダーは、他のアロマの香りにはない、最高のリラックスツールであるとも言えます。現在、アロマテラピーの研究では、ラベンダーの香りで副交感神経を刺激することで、ストレスを軽減し、不眠や不安、うつなどの症状を軽減する効果が期待されています。
不安に落ち込んだ時だけでなく、興奮しすぎて寝つきが悪い時など、睡眠をサポートしてくれる香りです。安眠に最適な使い方は、こちらの記事「【不眠解消】安眠に効くラベンダー精油の使い方BEST4!」をご覧ください。
花粉症・呼吸器のトラブル
ラベンダー精油に含まれるラバンデュロールやαテルピネオールやTRANS-オシメンには、抗炎症作用や抗ウイルス、抗アレルギー作用があることから、花粉症によるムズムズ感やかゆみを鎮めると言われています。そして、花粉症によるイライラも緩和してくれます。
また、ラベンダー精油には去痰作用や免疫力の向上があることから、芳香浴などを取り入れることで、呼吸器系の症状の緩和も期待できます。
肌荒れ、ニキビなどお肌のトラブル
アロマテラピーという言葉を創ったガットフォセというフランス人医師は、自身がヤケドを負った時にヤケドの化膿した部分にラベンダー精油を塗ったところ、症状が良くなって完治したことからラベンダー精油の皮膚への効果を研究しました。
現在では、ラベンダー精油には抗炎症作用だけでなく、お肌の細胞を活性化させるターンオーバー効果が期待されています。
ラベンダー精油をスキンケア製品に配合することで、お肌を柔らかくしたり、肌荒れやニキビなど肌トラブルを抑え、くすみ、しみ、しわの予防などエイジングケアにも有効と言われています。ブルーダルジャン農園のスキンケアシリーズはこちらからご覧ください。
ラベンダー精油の使い方
ラベンダー精油は「天然の万能薬」として知られており、老若男女さまざまな方に適用できる香りとして人気を集めています。また、比較的安全な精油でもあるため、初心者にもオススメできる香りです!
リラックスしたい時に、芳香浴やアロマバスがオススメ!
芳香浴は、加熱式のアロマポットに精油を数滴入れて温めます。ラベンダーの優しい香りがお部屋全体に行き渡り、自然と緊張がほぐれ、優雅な気分で過ごせることでしょう。空気の浄化にも最高です。
アロマバスでは、お風呂の中に5〜10滴ほど入れてよく混ぜます。お風呂場全体がラベンダーの花畑になることでしょう。アロマバスにはリラックス効果だけでなく、お肌への鎮静効果や汗疹、かゆみなどを抑える効果があります。
睡眠の質を高めたいときは、寝室の香りに。
ベッドリネンやベッドカバーなどをお洗濯するときに、ラベンダー精油を5滴ほど洗剤に混ぜて洗濯します。無香料の洗剤がおすすめ!また、精油をいれるときは、乾燥機能を使用しないでください。よく乾かしたベッドリネンの、ふわっとほのかに香るラベンダーが、睡眠の質を高めてくれます。
もしくは、ラベンダー精油を1〜2滴染み込ませたハンカチなどを枕元やサイドボードに置きます。自然な香りで睡眠の質を高めます。
その他の詳しい使い方については、こちらの記事【2020年まとめ】真正ラベンダー精油の最も効果的な使い方《天然の万能薬!》をご覧ください。
ラベンダー精油の品質と選び方
ラベンダーと言っても、千差万別。世界中に40種類以上もあると言われるラベンダーの中でアロマテラピーに用いられるラベンダー精油は、わずかしかありません。香りの優れたラベンダー精油は、他のどの植物の香りもしのぐ、素晴らしい香りがします。
「ハーブの女王」と呼ばれる南フランス産の真正ラベンダー精油
南フランス原産で、今でも南フランスの山の中に野生で存在するのが「真正ラベンダー」という品種です。正式名称はラバンデュラ・オフィキナリス、もしくはラバンデュラ・アングスティフォリアと呼ばれます。アロマテラピーでは、最も優れた精油として知られていて、アロマテラピーで初めに習う精油と言っても過言ではありません。
それゆえに、アロマを知っている人にとっては当たり前すぎて素通りしがちな香りでもあります。もしくは、1周回って、改めて真正ラベンダー精油の良さに気づくという人もいるかと思います。
南フランス産の中でも、標高の高い地域が良い香り。
特に、南フランス産の標高の高い1000m以上で栽培される真正ラベンダーに含まれる少量のクマリンという成分や、かすかなカンファーは、心身に活力を与えます。緊張をほぐしながらも、活力を与える香りという点では唯一無二の働きをします。
南フランスの標高の高い地域では、夏は気温差が激しく、朝は5℃、昼は35℃ということも珍しくありません。冬は雪でラベンダーの株が覆われて、冬眠します。こうした気候が優れた香りを生み出し、また、害虫の少なさが刺激成分(カンファー)の少なさに比例します。
おすすめのラベンダー精油プロフィール
植物名:真正ラベンダー
科名:シソ科ラヴァンドラ属
抽出部位:花穂
抽出方法:伝統的な藁を用いた水蒸気蒸留方法
原産地:南フランス、標高1,000m以上
栽培方法: 野生タネから育生、無農薬栽培がよい
品質:100%天然成分、100%純粋のもの
ラベルに全ての情報が記載されているものを信頼できる販売業者から購入するのがオススメ。真正ラベンダー精油は、偽和(人口香料などと混ぜる)問題が指摘されており、粗悪な精油が混入している可能性があります。ぜひ販売元を調べた上で購入してください。
ブルーダルジャン農園の真正ラベンダー精油は、南フランスから直輸入にて入荷しており、ロット管理や真空保存を行っております。天然成分かつ生産者から直接送られてくる本場の香りは、こちらからご覧ください。